MAX 7 シンセサイザー基礎3
加算合成は、音響合成の第一歩であり、理屈上ではこの方法であらゆる音色を合成することが可能であるはずである。しかしながら、現実に耳にする複雑な音は、数多くの部分音で構成されており、それらのバランスも刻々と変化している。これを加算合成で再現しようと思えば、膨大な下図のオシレーターを用意し、それぞれにも膨大なパラメーターのコントロールが必要になる。
ここでは、一つのオブジェクトを使って複数のオシレーターを加算したのと同等のシグナルを生成するioscbankオブジェクトによる加算合成を実施する。
ioscbankオブジェクトは、最初のアーギュメントを搔き込まなければ初期状態で64個のオシレーターが準備される。これらの内部オシレーターは、共通した一つの波形を出力し、初期状態ではサイン波となっている。よって初期状態の場合には、64個のcycleオブジェクトを並べて出力をミックスするのと同じ状態を1つのオブジェクトで行ってしまう。
この各オシレーターには、0番〜63番までのインデックス番号がついており、第4インレット(右端)にコントロールしたいオシレーター番号を選択する。
また、選択されたオシレーターに対して第1インレットでは周波数、第2インレットでは振幅を設定するが、多数のオシレーターの出力シグナルがミックスされるため、振幅の値は非常に小さくする必要がある。maxではこの振幅をマグニチュードと呼ぶ。