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MAX 7 MIDI基礎2

P393〜

MIDIシーケンスデータをファイルとして保存する場合、先に上げたいくつかのシーケンスソフトでは、それぞれ独自のフォーマットをもっており、互いに互換性が少ない。MIDIでは、このファイル保存フォーマットに共通の取り決めがあり、これに従って保存されたファイルをスタンダードMIDIファイル(SMF)と呼ぶ。通常、シーケンス・ソフトは独自のファイル保存フォーマットの他に、このSMFの読み書きが出来るようになっている。

一方、コンピュータのソフトウェア上でMIDIシーケンスデータを編集し、音楽を制御する作業が一般的になると、同期の問題が浮上する。録音機器とシーケンスソフトを同期させるマルチトラックレコーディングを行ったり、ビデオデッキ等の映像機器と同期させるケースである。

同期とは、異なる機器がタイミングを共有しながら動作することで、このためMIDiではタイミングクロックやMIDIタイムコード(MTC)という同期信号に関する規格を定めている。さらに録音機器や映像機器の操作自体もMIDiメッセージによってコントロールするMIDIマシンコントロール(MMC)という取り決めも追加されている。

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さて、MIDIメッセージは、"音を鳴らせ"、"音を止めろ"といった機器に対する命令であって、肝心のどんな音色のサウンドが鳴るかは受信側のMIDI機器の設定に任されている。これではSMFを共有するような場合に不都合が生じる。

MIDIにはもともとプログラムチェンジというMIDIメッセージがあり、受信側の音色プログラムを変更することが出来る。1991年にGeneral MIDI(GM)が発表され、プログラム番号と音色との対応関係が定められた。これによりスタンダードMIDIファイルにプログラムチェンジメッセージを記録することで、GMに準拠したMIDI音源モジュールであれば、音色まで指定・共有させることが可能となった。

SMFとGMの組み合わせは音楽配信、とりわけインターネットやモバイル通信といった通信環境で音楽配信に大いに活用されるようになる。

また、時代の流れに応じて、1997年に発表されたDownloadable Sounds(DLS)は、サンプリングされたオーディオファイルをSMFによって再生するための規格である。つまりDSL規格に準拠したハードおよびソフトであれば、再生環境側の音源に依存することなく任意の音源を使用することが可能となったのである。

また、1999年には、General MIDI Level 2(GM2)が定義され、音色数の拡大・エフェクトコントロールの追加が行われた。2001年には携帯端末向けに下位互換バージョンのGeneral MIDI Lite(GML)が発表され、MIDI、SMF、GM、DSLと個別に別れている仕様の統合と単一ファイル化、ファイルサイズの軽量化がはかられている。

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